幡豆町(読み)はずちよう

日本歴史地名大系 「幡豆町」の解説

幡豆町
はずちよう

面積:二五・九二平方キロ

標高三二五・七メートルのさん山を最高とする幡豆山塊の南に位置し、鳥羽とば川・八幡やわた川・小野おの川が三河湾へ注ぐ。東は蒲郡市、西は吉良きら町、北は山を境として額田ぬかた幸田こうた町と接する。南は三河湾に面し、東幡豆・西幡豆の港は天然の良港となっている。

総面積の七三パーセントを占める山間部、海岸に至る平坦地、海岸部の三地区に大別され、生産手段も三地区それぞれの特色がみられる。海岸部では漁業が主体であった。鳥羽とば・西幡豆・寺部てらべ桑畑くわばた中柴なかしば洲崎すさき船溜を有するが、近年はやや衰退の傾向にある。まえ島・おきの島をそれぞれ兎島・猿が島とし、生態研究と観光の両面から開発している。一方山間部では、明治以降養蚕が代表的な産業であったが、第二次世界大戦後は衰え、代わって漁網・織布・製紐・製網が急速に発達する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報