干る(読み)ヒル

デジタル大辞泉 「干る」の意味・読み・例文・類語

ひる【干る/乾る】

[動ハ上一][文][ハ上一]上代の上二段活用動詞「ふ」の上一段化》
水分がなくなってかわく。「池がひる
潮がひいて海底が現れる。干潮になる。「潮がひる
果てる。終わる。かたがつく。
「これこれ足下のやうにものを言うては論がない」〈滑・浮世床・初〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「干る」の意味・読み・例文・類語

ひる【干・乾】

  1. 〘 自動詞 ハ行上一 〙 ( 上代の上二段活用の動詞「ふ(干)」の上一段化した語 )
  2. 水分が蒸発してなくなる。かわく。からびる。ひあがる。
    1. [初出の実例]「妹が見しあふちの花は散りぬべしわが泣く涙いまだ飛(ヒ)なくに」(出典万葉集(8C後)五・七九八)
    2. 「此水いかなる旱(ひでり)にひる事なければ」(出典:太平記(14C後)七)
  3. 潮がひく。干潮となる。
    1. [初出の実例]「潮非(ヒ)なばまたも吾来むいざ行かむ沖つ潮騒高く立ち来ぬ」(出典:万葉集(8C後)一五・三七一〇)
  4. 果てる。終わる。かたがつく。結論が出る。
    1. [初出の実例]「イマ ミヨ マイラウズト イワルル コトバ モ マダ finu(ヒヌ) ウチ ニ」(出典:天草本平家(1592)二)
    2. 「議論が干ないのは当り前だらう」(出典:魔術(1920)〈芥川龍之介〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android