日本歴史地名大系 「平安通志」の解説
平安通志
へいあんつうし
六〇巻二〇冊 湯本文彦他編 京都市参事会 明治二八年刊
解説 「平安遷都千百年紀念祭」(明治二八年)の関連事業として編述された平安京通史である。先行の地誌類が、旧跡の探訪、名所の勝覧に重きをなしたのに対し、延暦一二年(七九三)から明治二八年(一八九五)に至る間に、京都で活躍した人物、その遺跡、あるいは都の沿革、諸制度、更には美術工芸、風俗等に至るまで体系的に編述するもので、画期的なものであった。起稿より成稿までわずか二年という短期間の事業で、多少の誤謬や記述の偏重は避けられなかったが、平安京と京都市街図を重ね合わせて比定する試みや、平安宮朝堂院(八省院)の想定復元図の作成など、貴重な成果が数多く盛込まれている。昭和五二年に縮刷版を刊行。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報