平林郷(読み)ひらばやしごう

日本歴史地名大系 「平林郷」の解説

平林郷
ひらばやしごう

嘉吉三年(一四四三)八月二二日の鷹尾たかお寺棟札銘(甲斐国志)に「胡摩郡鷹津名庄平林之郷」とあり、鷹津名たかつな庄に属する郷村であったことが知られるが、その後、記録は戦国期まで途絶える。庚申(永禄三年)一二月一七日の武田信玄印判状(桑原彦次家文書)では、寺尾てらお(現境川村)彦八など四名の触口に、平林をはじめとする七郷から漆を納入させよと命じている。平林からは五日の間に二〇盃の漆が納められることになっていた。武田氏滅亡後の天正一〇年(一五八二)六月二〇日の徳川家寺領書立(平林区有文書)では、平林郷内の二貫五〇〇文が鷹尾寺の本尊仏供灯明田として、三貫文が祭田として安堵されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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