彦八(読み)ひこはち

精選版 日本国語大辞典 「彦八」の意味・読み・例文・類語

ひこはち【彦八】

〘名〙
① (元祿正徳一六八八‐一七一六)のころ大坂で辻ばなしの第一人者といわれた米沢彦八の名をとったもの) 近世、おどけたしぐさや滑稽な話をした大道芸人豆蔵
※雑俳・登梯子(1705)「彦八も打つげなさかい銭や持たぬ」
浮世草子・棠大門屋敷(昭和版帝国文庫所収)(1705)二「此所生玉を移し、芝能万歳彦八祭文」

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「彦八」の解説

彦八 ひこはち

⇒米沢彦八(よねざわ-ひこはち)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の彦八の言及

【落語】より

…その後まもなく,〈はなし〉を〈軽口〉というようになるとともに,はなしのおもしろさを効果的に結ぶ〈落ち〉の技術もみがかれていった(後出〈落ちの型〉を参照)。
[辻咄時代]
 落語が飛躍的に進歩したのは,延宝・天和年間(1673‐84)ごろから京都で辻咄(つじばなし)をはじめた露(つゆ)の五郎兵衛と,おなじころ江戸で辻咄をはじめた鹿野(しかの)武左衛門,貞享年間(1684‐88)ごろから大坂で辻咄をはじめた米沢彦八という3人の職業的落語家の功績だった。 辻咄というのは,街の盛場や祭礼の場によしず張りの小屋をもうけ,演者は広床几(ひろしようぎ)の上の机の前で口演し,聴衆は床几に腰をかけて聴くという形式をとり,晴天に興行して道ゆく人の足をとめ,咄が佳境にはいったころを見はからって,銭を集めて回るという庶民的演芸だった。…

※「彦八」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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