朝日日本歴史人物事典 「平経高」の解説
平経高
生年:治承4(1180)
鎌倉中期の公卿。父は治部大輔平行範。はじめ吉田経房の猶子となり,建久1(1190)年1月に平姓に復し叙爵。蔵人,弁官を経て承久2(1220)年に蔵人頭になり,元仁1(1224)年に従三位に叙して公卿となる。嘉禄2(1226)年に参議,仁治1(1240)年には民部卿。博学で故実に通じた人物であり,九条道家の側近のひとりであった。鎌倉幕府の台頭に批判的で,朝廷政治の振興に努めた。任官を正しく行うことと,裁判を広く行うことが必要であると説き,この考え方は摂関や天皇に受け継がれていった。日記『平戸記』がある。
(本郷和人)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報