平戸記(読み)へいこき

改訂新版 世界大百科事典 「平戸記」の意味・わかりやすい解説

平戸記 (へいこき)

民部卿平経高(1180-1255)の日記書名は姓の平と民部卿の唐名である戸部尚書(こぶしようしよ)の戸を合わせたもの。内容は朝儀が主であるが,公卿会議における各人の発言内容も記入するなど記事は詳しい。また随所筆者の感想も書かれている。この時期は他の記録が少ないので,本書は大部なものではないにもかかわらず当時の朝儀や朝幕関係,荘園風俗信仰などを知る貴重な史料といえる。1227年(安貞1)より46年(寛元4)までの記事が断続的に残存。《史料大成所収
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平戸記」の意味・わかりやすい解説

平戸記
へいこき

鎌倉時代前期の貴族,参議民部卿平経高 (1180~1255) の日記。民部卿の唐名の戸部尚書と,平氏との名称からそれぞれ1字をとって後人が日記名とした。現在知られている部分は,安貞1 (1227) 年から寛元4 (46) 年までのうち,わずか7年分である。現在では鎌倉時代末期か南北朝時代書写と思われる写本しかないが,同時代ほかの日記がほとんどないため貴重な史料である。

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