床しげ(読み)ゆかしげ

精選版 日本国語大辞典 「床しげ」の意味・読み・例文・類語

ゆかし‐げ【床げ・懐げ】

  1. ( 形容詞「ゆかしい」の語幹接尾語「げ」の付いたもの )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ゆかしい様子。心ひかれる深みや趣のある様子。
    1. [初出の実例]「人ずくなにて、いとあしかめり。あこぎ、人もとめよ。殿なる人にも聞えんと思へども、ゆかしげなき」(出典:落窪物語(10C後)二)
  3. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
    1. 見たそうなさま。会いたそうなさま。知りたそうなさま。聞きたそうなさま。
      1. [初出の実例]「人の目をもおどろかし、心をもよろこばせ給ふむかしの世、ゆかしげなり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)
    2. 心ひかれるような深みや趣のあるさま。
      1. [初出の実例]「門も家もいと大きに造りなし、蔀(しとみ)おろし、簾(すだれ)垂こめて、ゆかしげに住なしたり」(出典:読本・雨月物語(1776)蛇性の婬)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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