座間味(村)(読み)ざまみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「座間味(村)」の意味・わかりやすい解説

座間味(村)
ざまみ

沖縄県島尻郡(しまじりぐん)にある村。那覇市の西方海上約35キロメートルにある大小20余の島々で構成される。有人島の座間味島、阿嘉島(あかじま)、慶留間島(げるまじま)のほか、無人島の屋嘉比(やかび)島、嘉比(がひ)島、久場(くば)島、奥武(おう)島、外地(ふかじ)島、安室(あむろ)島などがある。方音ジャマン。山地状の島々である。外地島に慶良間(けらま)空港があり、阿嘉、慶良間、外地の3島は橋で結ばれる。座間味島、阿嘉島と那覇間に定期船が通じる。後慶良間(くしけらま)ともよばれ、第二次世界大戦前は那覇への薪炭供給地。また航海業に従事する人が多かった。1901年(明治34)沖縄で初めてカツオ漁業が導入され、かつお節(ぶし)創業の地である。屋嘉比島、久場島には銅山があった。1945年(昭和20)3月26日、米軍の沖縄最初の上陸地点で、日米両軍のはざまで村民402人が集団自決するという悲惨な歴史をもつ。国指定天然記念物のケラマジカの唯一の生息地。2014年(平成26)慶良間諸島国立公園に指定された。付近海域サンゴ礁が発達しダイビングに適しており、またザトウクジラの回遊地でホエールウォッチングが新しい観光名物となっている。面積16.74平方キロメートル、人口892(2020)。

[堂前亮平]

『『座間味村史』(1989・座間味村)』


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