庭子(読み)ニワコ

デジタル大辞泉 「庭子」の意味・読み・例文・類語

にわ‐こ〔には‐〕【庭子】

江戸時代、代々その家に仕えている下男下女のあいだに生まれた子。また、広く主家に代々隷属する農民をいう。

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精選版 日本国語大辞典 「庭子」の意味・読み・例文・類語

にわ‐こには‥【庭子】

  1. 〘 名詞 〙 代々その家に仕えている隷農、またその子どもで、同じようにその家に仕えている者。釜子。釜譜代。家抱。家の子。庭の子。庭の者。
    1. [初出の実例]「砧うつ宿の庭子や茶の給仕〈其角〉」(出典:俳諧・雑談集(1692)上)
    2. [その他の文献]〔地方凡例録(1794)〕

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世界大百科事典(旧版)内の庭子の言及

【庭者】より

…また,江戸時代には徳川将軍家に仕え,白衣で江戸城の奥庭の清掃や将軍の身の警備に従事するとともに,秘密情報の収集・提供を行った〈御休息御庭之者(ごきゆうそくおにわのもの)〉(ふつうには庭番(にわばん),御庭番(おにわばん)といった)のことをさし,さらには〈猿楽師(能役者)〉に対する軽侮の念のこもった言葉として使われた語。別にまた,江戸時代に各地の農家に代々隷従奉仕した貧農をさす〈庭子(にわこ)〉の語とも同義に用いられた場合がある。 室町時代の庭者は,禁裏(天皇の御所),公家邸,武家邸,寺社などの庭の造作・掃除や樹木の手入れにたずさわり,身分的には卑賤視されていた河原者(山水河原者(せんずいかわらもの))が主であり,彼らは,ときには使者,伝令,飛脚の任務にも駆使されていたことが知られている。…

※「庭子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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