延喜聖代(読み)えんぎのせいたい

改訂新版 世界大百科事典 「延喜聖代」の意味・わかりやすい解説

延喜聖代 (えんぎのせいたい)

平曲曲名。小秘事物。醍醐天皇は延喜の聖帝ともいわれる帝だった。宇多法皇の第1皇子である。889年(寛平1)に5歳で親王宣下,9歳で皇太子に立った(〈位クドキ〉)。13歳で譲位を受けてから善政を施したので太平が続いた。それは,十旬の雨壌(つちくれ)を破らず,五日の風枝を鳴らさずというめでたさだった(〈三重(さんじゆう)〉)。あるとき神泉苑行幸の際,池のサギを召したが,サギは勅に従って飛び立たなかったので,そのサギに五位を授けて世に王威を知らしめた。諸国へ行幸の折は,笑みを含んで民が近づきやすいように心掛けた(〈指声(さしこえ)〉)。推古天皇以来27代,こうした例はなく,まことにめでたい代だった。位クドキは秘曲にしかない曲節。この段は普通の《平家物語》にないが,鷺の件は《朝敵揃》の末部に含まれていて,詞章も節付けもほとんど同じである。能《》の原拠
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 横道

《「晋書」杜預伝から》竹が最初の一節を割るとあとは一気に割れるように、勢いが激しくてとどめがたいこと。「破竹の勢いで連戦連勝する」[類語]強い・強力・強大・無敵・最強・力強い・勝負強い・屈強・強豪・強...

破竹の勢いの用語解説を読む