建陽(読み)けんよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「建陽」の意味・わかりやすい解説

建陽
けんよう / チエンヤン

中国南東部、福建(ふっけん)省北部にある南平(なんへい)市の市轄区。閩江(びんこう)支流の崇渓(すうけい)に沿う。旧称は嘉禾(かか)。人口35万4619(2015)。区北部は武夷(ぶい)山麓の茶園地域にあるため茶の生産が盛んである。ほかにハス、松脂(まつやに)、樟脳(しょうのう)を産し、木材加工などの工場もある。また陶磁器の生産でも知られる。区内には宋(そう)の学者朱熹(しゅき)(朱子)の考亭書院や南宋の法医学者宋慈(そうじ)(1186―1249)の墓、天目茶碗(てんもくちゃわん)の焼造で著名な建窯(けんよう)の遺跡がある。

[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年3月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の建陽の言及

【福建[省]】より

…その都あとには前漢では冶県,後漢では東部候(侯)官がおかれ,海上交通の要地として会稽郡に属していた。三国時代になって呉が建安郡(中心は今日の建陽県),続いて晋が晋安郡(中心は今日の福州市)をおいたのは,北方からの漢民族移住が盛んとなり開発が進んだからである。南朝の梁ではさらに南安郡(中心は今日の泉州市)を増設した。…

※「建陽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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