弓山遺跡(読み)きゅうざんいせき(その他表記)Kungsan yujǒk

改訂新版 世界大百科事典 「弓山遺跡」の意味・わかりやすい解説

弓山遺跡 (きゅうざんいせき)
Kungsan yujǒk

朝鮮民主主義人民共和国,平安南道温泉郡雲河里にあり,西海岸北部地方における櫛目文土器(新石器)時代の代表的集落遺跡。1949年の試掘を経て50年に発掘調査された。平壌の西方約45km,独立丘陵状を呈した標高20mの小弓山の南東緩傾斜面の上段に立地する。現在この付近の海岸線は,遺跡の西方約2kmのところに後退しているが,櫛目文土器時代には,遺跡のすぐ近くにあったものと推測される。貝層に埋まって竪穴式住居跡5基が検出され,また,櫛目文土器,石器,骨角器など800点以上の人工遺物と,獣骨,魚骨,貝などの自然遺物が採集された。竪穴式住居跡は,平面円形もしくは隅丸方形をなし,底面のほぼ中央に炉跡を伴う。櫛目文土器は丸底の深鉢が主体を占め,綾杉文が目だつ。猪牙製鎌や鞍形すり臼は,農耕と関連するようである。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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