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櫛目文土器 くしめもんどき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

櫛目文土器
くしめもんどき

櫛歯状の道具で施した沈線文や点列文などの文様をもつ土器総称。口縁部が水平で,尖底あるいは丸底の単純な形態を基本とする。単に櫛文土器ともいう。ユーラシア大陸の北部森林地帯の新石器時代に発達し,ボルガ川上流から中央ロシア,シベリアの南辺,バイカル湖,モンゴル高原,遼東半島から朝鮮半島にいたるまで広く分布する。朝鮮半島のものは有文土器と呼ぶのが一般的。九州の縄文時代前期の轟B式土器,曾畑式土器は,朝鮮半島の櫛目文土器との交流の結果,出現したと考えられている。また弥生土器のなかにも各種の櫛目文の発達がみられ,一部には回転台を用いて施文したものもある。

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デジタル大辞泉の解説

くしめもん‐どき【×櫛目文土器】

中石器新石器時代の土器の一。ユーラシア大陸北部に分布し、櫛歯状のもので幾何学的文様がつけてある。日本の縄文土器にもそれに類するものがあり、また、弥生土器にも似た文様をもつものがある。

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百科事典マイペディアの解説

櫛目文土器【くしめもんどき】

櫛歯状の施文具で幾何学的文様を施した土器。ユーラシア大陸に広く分布し,特に北方ユーラシア森林地帯の新石器時代文化を特徴づける。器形は尖底あるいは丸底の砲弾形が基本的。
→関連項目東三洞遺跡宮滝遺跡弥生時代雄基貝塚

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世界大百科事典 第2版の解説

くしめもんどき【櫛目文土器】

櫛歯状の施文具で文様の施された土器の総称。世界各地の各種時期の土器に認められるが,狭義には北欧から西シベリアにかけて分布する新石器時代の土器,また朝鮮半島の新石器時代の有文土器ないし幾何文土器と呼称されるものを指すのが普通である。西シベリアの沿オビ地域の新石器時代の土器(前4千年紀終末~前3千年紀後半)は,すべて櫛目文を有する丸底土器である。このような器面全体を櫛目文でおおう新石器時代の丸底土器は,エニセイ流域のウニュク遺跡(前4千年紀終末~前3千年紀初頭)やアンガラ上流域のウスチ・ベラヤ遺跡第IIa層(前5千年紀)からも出土している。

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大辞林 第三版の解説

くしめもんどき【櫛目文土器】

櫛の歯状の道具で文様をつけた土器の総称。ユーラシア大陸北部から朝鮮半島にかけて出土する新石器時代の土器に多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

櫛目文土器
くしめもんどき

北方ユーラシアにおける新石器時代を特徴づける土器。丸底、尖底(せんてい)の深鉢(ふかばち)を基本とし、櫛歯様施文具(くしばようせもんぐ)で各種の文様が施されている。ボルガ川上流やその支流のオカ川流域に出現し、フィンランド、中央ロシア、シベリアに波及した。シベリアではエニセイ川流域のクラスノヤルスク、ミヌシンスク両地域に顕著で、アンガラ地方やバイカル湖にも達する。また、中国東北、朝鮮にも同種の土器があるが、シベリアのそれとの関係は明らかではない。
 朝鮮の櫛目文土器も新石器時代の土器で、丸底、平底の深鉢を基本とし、各種の幾何学文様が施される。石綿、滑石などを胎土(たいど)中に混入するものがある。地域差があり、中国東北地域、鴨緑江(おうりょくこう)流域では平底、他地域では丸底である。編年の基準となる層位的発掘が行われた遺跡には、咸鏡北道(かんきょうほくどう/ハムギョンプクド)屈浦里(くっぽり)の西浦項(せいほこう)貝塚と釜山(ふざん/プサン)広域市の東三洞(とうさんどう)貝塚がある。西浦項貝塚では5期に分けられ、時期が新しくなると雷文(らいもん)が出現したり、終末には無文化する。西部、南部では時期が新しくなると波状点線文がみられる。遺跡は海岸や河岸近くに分布し、貝塚を形成することが多い。狩猟、漁労を主とするが、後半には凸字形石斧(せきふ)、石鎌(いしがま)、石(いしすき)やイノシシの牙(きば)でつくられた鎌などがみられることから雑穀栽培が行われたようである。紀元前7、8世紀ごろに無文土器に変わると考えられる。櫛目文土器は九州の縄文時代前期の曽畑(そばた)式土器成立になんらかの影響を与えたようで、縄文時代における海峡を越えた交流をうかがわせる。[定森秀夫]
『金廷鶴著「幾何学文土器」(『韓国の考古学』所収・1972・河出書房新社) ▽韓炳三著「櫛目文土器」(『世界陶磁全集17 韓国古代』所収・1979・小学館)』

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