引き(読み)ヒキ

デジタル大辞泉 「引き」の意味・読み・例文・類語

ひき【引き】

[名]
引っ張ること。また、その力。「魚の引きが強い」
特別に目をかけて便宜をはかること。引き立て。「上役引きで出世する」
手づる。つて。縁故。「就職するにも引きがない」
引く力に対して耐える力。紙などの腰があること。「引きのある紙」
写真撮影で、カメラを後ろへ下げて撮影すること。または、後ろへ下げる空間的なゆとり。「引きで撮る」「引きの写真」「引きのない場所」
俗に、賭け事勝負事くじの運。「引きがいい」「引きの強い人」
率いること。導き。
「大君の―のまにまに」〈・一〇四七〉
江戸時代、田畑租税を減免すること。
引き出物」の略。
「これの内のやつらにも、何かなしに三百づつお―をやる合点ぢゃ」〈浄・万年草
10 (「びき」の形で)接尾語的に用いて、値引き・値下げの意を表す。「三割引き
[接頭]動詞に付いて、その動詞の示す動作・作用を強める意を表し、また、語調を強めるのに用いる。「引きしめる」「引きまわす」
[補説]音便で、「ひっ」「ひん」ともなる。「ひっくくる」「ひんまげる」など。

びき【引き】

ひ(引)き9」に同じ。「二割引き

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の引きの言及

【マワシ】より

…ゴマ点二つあるいは三つ分の音価で詞章の一音節を〈なア〉〈にイ〉などとうたい,かつ,生み字のア,イの部分で音の下降を伴うものをいう。したがって同じようにゴマ点二つ分,あるいはそれ以上の音価をもつものであっても,引キや振リなどは,音の下降を伴わない点で,マワシとははっきり区別される。マワシは,それがどの音階音上にあるか,ヨワ吟かツヨ吟か,〈入〉〈ハル〉などの記号と結合しているかいないか,などにより,実際のうたい方はさまざまに変化し,下降した結果も,出発音より低くなる場合と,下降して出発音に戻る場合とがある。…

※「引き」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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