引払(読み)ひきはらう

精選版 日本国語大辞典 「引払」の意味・読み・例文・類語

ひき‐はら・う ‥はらふ【引払】

〘他ワ五(ハ四)〙
① 取りはらう。取り去る。
御伽草子御曹子島渡(室町末)「七里山のおくにをしいらせたまひ、七重のしめをひきはらひ、いしのどさうをみ給へば」
② 連れ去る。逮捕する。
歌舞伎御摂勧進帳(1773)三立「岩手姫を引払ふべいとかん出す馬の尾筒へ取附く奴を見りゃア」
③ それまで住んでいた家や滞在していた宿を出る。退去する。転居する。
花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉下「明日十時迄に東京を引き払(ハラッ)て」

ひっ‐ぱら・う ‥ぱらふ【引払】

〘他ハ四〙 (「ひきはらう(引払)」の変化した語)
① ひっさらう。かっぱらう。
※歌舞伎・男伊達初買曾我(1753)一「友切丸を引っぱらって立退かんとひろぐか」
② 強くはらう。
※歌舞伎・四天王産湯玉川(1818)三立「引ぱらって又切ってかかる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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