引目鈎鼻(読み)ひきめかぎはな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「引目鈎鼻」の意味・わかりやすい解説

引目鈎鼻
ひきめかぎはな

大和(やまと)絵において、とくに貴族男女顔貌(がんぼう)表現に用いられた技法。ふっくらとした面長の顔形に、繊細な変化をもたせた一線で目を描き、鼻も細線で鈎形にし、唇は多くの場合朱色の点で表す。その没個性的な表現は日本独自の象徴的なもので、とくに『源氏物語絵巻』(徳川本、五島(ごとう)本)などの王朝の絵画作品においては、見る者を絵画空間に引き込むという効果を発揮した。しかし鎌倉時代以降、徐々に類型化してその効果を失った。

[加藤悦子]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む