引直す(読み)ヒキナオス

デジタル大辞泉 「引直す」の意味・読み・例文・類語

ひき‐なお・す〔‐なほす〕【引(き)直す】

[動サ五(四)]
改めてもう一度引く。「図面を―・す」
改める。作りかえる。直す。
百姓家を―・したのであろう」〈蘆花思出の記
組み入れる。入れ直す。
番頭の幸作も養子分に―・して」〈藤村
引いてもとへ戻す。
御簾みすそば、いとあらはに引き上げられたるを、とみに―・す人もなし」〈・若菜上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引直す」の意味・読み・例文・類語

ひき‐なお・す‥なほす【引直】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 引いたり、引きずらせたりしてあるべき位置へ移す。もとにもどす。また、ほかの場所へ移す。
    1. [初出の実例]「おとどの君、さしのぞき給へれば、ふところ手ひきなをしつつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)初音)
  3. なおす。改める。修正する。また、作りかえる。改築する。
    1. [初出の実例]「よき風情おのづからあれば、それを才学にてよくひきなをして、多く秀哥ども詠みたりけり」(出典:後鳥羽院御口伝(1212‐27頃))
  4. あてはめる。組み入れる。
    1. [初出の実例]「拾銭以上となりたるとき、これを郵便貯金にひきなほすことをうる規則なり」(出典:尋常小学読本(明治三七年)(1904)八)
  5. 転換する。〔仏和法律字彙(1886)〕
  6. 線などをもう一度引く。
  7. 風邪をもう一度ひきこむ。

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