デジタル大辞泉
「思出の記」の意味・読み・例文・類語
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出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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思出の記 (おもいでのき)
徳冨蘆花の長編小説。1900年(明治33)から01年にかけて《国民新聞》に《おもひ出の記》として連載,《思出の記》と改題して刊行。自分や兄蘇峰(そほう)を安易に折衷して人物を造型したという理由で,後年の作者からは批判的に扱われた。しかし一人称で語られる主人公菊池慎太郎の半生--立身出世して家名を再興しようとする野望に端を発し,民権運動の洗礼を受けながら自由にめざめるとともに,キリスト教を契機として自己の内的充実をはかっていくその過程は,明治知識人の理想像ともいえ,末尾に描かれるユートピア像とともに,ついに実現しなかった維新本来の理想のイメージを定着したものといえる。
執筆者:佐藤 勝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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思出の記
おもいでのき
徳冨蘆花(とくとみろか)の長編小説。1900年(明治33)3月から翌年3月まで『国民新聞』に連載。5月、民友社刊。九州の士族、菊池慎太郎は、幼時、家業の破産と父の死にあい、母に家名再興を迫られて発奮。やがて出郷。苦難を重ね、帝国大学文科を卒業し、愛するお敏(とし)と結婚、在野の評論家として身をたてるまでになる。その間、キリスト教に触れ、自由人的な生き方に目覚める。巻末、帰省の場面に描かれている新吾の炭鉱経営と松村の農業形態は、蘆花の理想であった。明治前期の時代の上昇気運を明るく描いた浪漫(ろうまん)主義文学の傑作である。ディケンズの『デビッド・カパーフィールド』に学び、蘆花自身の思い出の断片を生かして書かれたもの。
[吉田正信]
『『思出の記』(『現代日本文学大系9』所収・1971・筑摩書房)』
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思出の記【おもいでのき】
徳冨蘆花の自伝的長編小説。1900年―1901年《国民新聞》に連載(連載時は《おもひ出の記》,刊行の際に《思出の記》に改題)。地方の旧家に生まれ父を失った主人公菊池慎太郎の立志伝的半生を描く。自由民権運動とキリスト教の影響を受けながら可能性を追求していく主人公の姿勢によって明るい明治浪漫主義の代表的作品の一つとなった。清新な口語文で青春のよろこびをうたい,当時の青年層に愛読された。
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