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 いえ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


いえ

島崎藤村長編小説。上下2巻。 1910~11年発表。『若菜集』刊行の翌年の 1898年から 1910年にいたる生活記録で,作者の生家である島崎家と長姉のとついだ高瀬家という,ともに由緒ある旧家の没落してゆく過程をたどりながら,家父長制家族制度の因習や儀礼が,それに縛られて生きる人々の運命をいかに狂わせていったかを描いている。

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いえ

日本において家族生活の場であり,伝統的な社会の構成単位である親族集団をいう。語源「いへ」の「へ」はヘッツイ (かまど) のこと。火をともにする集団を意味した。近世までには,家父長の統制下で家業を営み,家計をともにする生活共同体となり,また家産を所有する主体となった。

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デジタル大辞泉の解説

いえ〔いへ〕【家】

人の住むための建物。すまい。家屋。「を建てる」
自分の住んでいる建物。うち。自宅。「あすはにいます」「友人をに招く」
夫婦・親子・兄弟など血縁の近いものが生活を共にする小集団。家庭。所帯。「結婚してを構える」「を切り盛りする」「貧乏な
祖先から代々続いてきた血族としてのまとまり。また、その伝統的な名誉や財産など。家名。家督。「を継ぐ」

㋐家族集団の置かれている社会的地位。家柄。「学者のに生まれる」
㋑特に、よい家柄。
「愚かにつたなき人も、―に生まれ、時にあへば」〈徒然・三八〉
民法旧規定における家制度で、戸主の統轄のもとに、戸籍上一家をなしている親族の団体。
妻。
「左大臣の―、昔よりよろしからず心聞こゆる人なり」〈宇津保・忠こそ〉
出家に対して、在家。在俗。
「―にあり、人に交はるとも」〈徒然・五八〉
[補説]書名別項。→

いえ【家】[書名]

島崎藤村の小説。明治43~44年(1910~1911)発表。作者自身をモデルに、主人公三吉の生家小泉家と姉の婚家橋本家の、二つの旧家の退廃と没落の歴史を描く。日本自然主義文学の代表作。

か【家】

[接尾]名詞に付く。
そのことに従事している人であることを表す。「咄(はなし)」「革命」「芸術」「起業
そうした性向の強い人、また、そういう状態にいる人であることを表す。「愛妻」「情熱」「努力」「好事」「財産

か【家】[漢字項目]

[音](漢) (呉) [訓]いえ や うち
学習漢字]2年
〈カ〉
人の住む建物。「家屋家宅人家農家廃家民家隣家
血縁集団の生活の場としての家。一家。一族。「家事家政家族家庭家風旧家国家婚家実家主家生家檀家(だんか)貧家名家
自分の家の。「家兄家厳家父
その道を専門にする人。一事に秀でた人。「画家作家儒家諸家書家大家兵家専門家
そうした性向の強い人。そういう状態にいる人。「厭世家」「健啖家」「金満家」「倹約家
〈ケ〉2に同じ。「公家(くげ)後家(ごけ)在家出家他家当家武家分家平家本家宮家(みやけ)
〈いえ〉「家柄家路家元
〈や〉「家賃家主借家(しゃくや)平家(ひらや)
[名のり]え・お・やか
[難読]家鴨(あひる)

け【家】

[接尾]
姓氏などに付いて、その一族またはその成員であることを表す。「佐藤」「創業
官職・称号などに付いて、敬意を表す。「将軍」「右大臣

へ【家】

《「いへ」の音変化》いえ。人家。
「春の野に鳴くやうぐひすなつけむと我が―の園に梅が花咲く」〈・八三七〉

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百科事典マイペディアの解説

家【いえ】

社会学的には世代を越えて連続する家族集団の連鎖そのものをいう。それは家族という集団をさす概念ではなく,観念的な存在であって,この家観念こそが家族集団成員のみならず多くの社会関係に対して規制要因として働いている。
→関連項目家族制度家族法創氏改名

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デジタル大辞泉プラスの解説

大野新の詩集。1978年、第28回H氏賞受賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

いえ【家】

日本の家も西欧のファミリーも,その基本的機能は成員の生活保障にある。だからこそ血縁者のみでなく,他人もいれる必要がでてくる。英語のファミリーfamilyの原義は家の使用人たちであった。歴史とともに社会が安定し,生活が容易になれば,他人を必要とせず,血縁につながる近親者の小集団に縮小してくる。しかし,家の血縁に対する考え方は国によって違う。家族
【日本】

結合原理としての家――伝統と変容]
 日本の場合,血縁尊重ということがよくいわれる。

いえ【家】

島崎藤村の長編小説。上巻は1910年(明治43)《読売新聞》に連載。下巻は〈犠牲〉の題で11年《中央公論》に分載。同年11月刊行の際,最終章を追加。生家の島崎家と姉の嫁ぎ先高瀬家をモデルとして,二つの旧家の頽廃と,その中で〈新しい家〉を築こうと苦闘する主人公,小泉三吉(藤村自身がモデル)の姿を描く。彼がめざす〈家〉は経済的独立と夫婦の相互理解を柱とするが,それは彼自身の中に生きている旧家の意識や宿命的な血統の自覚,妻お雪との相克などに妨げられて実現せず,結局彼は日常生活の惰性にしか夫婦のきずなを見いだすことができない。

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大辞林 第三版の解説

いえ【家】

人が住むための建物。住居。家屋。 「立派な構えの-」
自分のうち。我が家。自宅。 「 -へ帰る」 「 -の者が待っている」
生活の中心となる場所。家庭。所帯。 「結婚して-をもつ」
夫婦・親子・兄弟などからなる生活共同体。社会を構成する最小単位。家族。 「 -を支える」
民法旧規定において、一家として戸籍に登録された親族の団体。戸主とその統率を受ける家族から構成され、戸主は戸主権に基づいて家族の居所指定や身分行為の許諾などを行なった。現行民法の実施により廃止されたが、戸籍制度や社会慣習に現在もその影響が残る。家制度。
祖先から子孫へと、血縁によってつながる家筋・家系。それによって守り伝えられた伝統・技芸・財産なども含めていう。 「 -を継ぐ」 「武芸の-」
鏡・茶器などの器物を入れる容器。
家地いえじ 」に同じ。
立派な血統。名門。 「愚かにつたなき人も-に生れ時にあへば高き位に登り/徒然 39
「妻」の婉曲えんきよくな表現。 「左大臣の-、昔よりよろしからず心聞ゆる人なり/宇津保 忠こそ
(出家に対し)在家。俗世間。 「 -にあり、人に交はるとも後世を願はんに難かるべきかは/徒然 58
書名(別項参照)。

いえ【家】

長編小説。島崎藤村作。1911年(明治44)刊。由緒ある二つの旧家の没落する過程をたどり、家族制度の因習や宿命的な血の問題を描く。

うち【家】

〔「うち(内)」と同源〕
家屋。人が住むための建物。 「空き地に-が建った」
自分の家庭。我が家。 「 -ではみな六時に起きる」 「 -の者は朝から出かけてしまった」
(一般的に)家庭。家族の住んでいる場所。 「あなたの-では正月にどんな料理を作りますか」 「そろそろ-に帰りなさい」
[句項目]

け【家】

( 接尾 )
〔呉音〕
氏・姓・官職・称号などに付いて、それに所属するものの意を表す。また尊敬の意を添える。 「平-」 「豊臣-」 「将軍-」 「伯爵-」

ち【家】

〔「うち(家)」に助詞「の」が付いた「のうち」の転「んち」から〕
家。うち。 「ぼくん-」 「君ん-」

へ【家】

〔「いへ」の「い」が省かれたもの〕
家。 「妹が-に雪かも降ると見るまでに/万葉集 844

んち【家】

「…のうち(家)」の転。 → ち(家)

出典|三省堂
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世界大百科事典内のの言及

【家筋】より

…日本の家族はさまざまな地域的構造的差異を内包しつつも,特定世代における生活集団という意義を超えて超世代的連続を志向する点に共通の顕著な特徴がみられた。超世代的連続にあたっては祖先と子孫の関係を強く保持することが必要であり,どのような祖先と子孫の関係をとくに強調し,それを通じて家族が連続していくかがすなわち家筋の問題である。…

【イスラム】より

…このようなものが,イスラム最初の神学であった。 クーファとメディナの学者たちの主たる関心は,国家の法をイスラムの理念に基づいて体系化することにあり,その手がかりはコーランとスンナと個人的見解(ラーイ)であった。ハサン・アルバスリーのスンナが,宗教的・倫理的慣行を意味したのに対して,法学者のそれは法的慣行を意味した。…

【オイコス】より

…ギリシア語で家を意味し,さらに家に結合する人間の諸関係をも意味するようになった語。アリストテレスは《政治学》の中でポリスを〈村々の共同体(または結合体)〉,村を〈家々の共同体(または結合体)〉と定義し,家を夫婦,親子,主人と奴隷の三つの関係の複合したものと把握した。…

【親子】より

…南太平洋のトロブリアンド諸島の原住民は,子の出生にあたっての父親が果たす役割を知らない。にもかかわらず,家族生活では,タマと呼ばれる男性が子どもにとっては母親の親しい人であり,愛情をこめて自分たちを養育してくれる男親であって,今日の父親のイメージと本質的には異ならない。彼らは父子間の血のつながりを知らないにもかかわらず,社会的な父親の存在を認めていることになる。…

【家格】より

…ある一定の地域社会内で認められた家の地位,格式をさす。
[古代・中世]
 日本でこうした家格観念が発生したのは,おそらく平安時代中ごろの中央貴族層の世界でのことと考えられる。…

【家族主義】より

…家族主義という言葉は,ある社会が家族を社会の構成単位として重視するだけでなく,家族の原則を家族外のさまざまな社会関係にもおしひろげて適用する傾向のある社会構造を示している事実を指したり,あるいは,そのような社会構造となることを理念とするイデオロギーを指したりする。 日本社会は現代に入るまで近世,近代を通じて家を重視し,また社会生活上,家なしには個人が生きていくことが困難なため,社会全体が家々の連合する構造を示し,親類のネットワークおよび同族,機能別の多様な,地縁的な町内,ムラ,古代には(うじ)などの組織の組合せにより特徴づけられてきた。…

【家族法】より

…家族法は家族に関する法である。日本の民法には,第4編親族,第5編相続があるが,欧米諸国で家族法というときは,相続法を別にして親族法だけを指し,日本でもまずその意味に使われる。…

【敵討】より

…この観念は,死骸のありかたはその人の死後の永遠の世界を決定するという考え方にもとづくもので,古い民族的信仰に根をもつものであった。そしてこのいわば祖霊の鎮魂を目的とした敵討は,家の観念と深く結びついており,すでに《古事記》には父の敵討をした弟が兄にかわって家の相続者となった例がみられるように,親の敵討は,家の継承者たる子の義務とされたのである。とくに武家社会においては,武士の倫理と結びついて親の敵討の義務は不動のものとなり,さらにこの家の観念を基礎にうまれた主従倫理の確立とともに主人の敵討もしだいに従者の義務とされるようになった。…

【家督】より


[中世]
 鎌倉時代以降,日本の封建制社会においてごく一般的に用いられていた用語であるが,南北朝時代の以前と以後とで,その意味はまったく異なる。鎌倉時代の例としては《吾妻鏡》の,秩父氏の家督を継ぐ河越重頼が,江戸氏をはじめ幾つかの武士団を統率したという表現をあげることができるが,この場合の家督は,秩父一門の族長のことであった。これに対して室町・戦国期の史料にみえる家督という語は,上のような一門一族のうちに成長してきた個々の家父長的家族(家)の統率者を指している。…

【家督相続】より

…〈家〉に付随する財産の単独相続と結合した〈家〉の統率者の地位・身分を継承する相続制度をいう。すでに中世から,武士と農民層で広く行われてきた家長の地位と〈家〉の財産(家督)をおもに長男子に独占的に相続させるというこの制度を,近代国家に編入することこそは,明治政府の最重要な課題であった。…

【戸】より

…古代の中国では,社会の基礎的な単位である〈家〉を〈戸〉として組織し,統治の基礎的な単位とした。家が社会的・私法的な存在であるのに対して,戸は政治的・公法的な単位であった。…

【孝】より

…礼のなかでも喪服(そうふく)の問題がとくにやかましくいわれ,郷党の指導者が〈父老〉の名でよばれ,天子が天下に孝の徳を教えるべく有徳の老人を〈三老・五更〉に選んで養老の礼を行い,夷狄の老人賤視の習俗が非文明とみなされたことなど,すべて広義の〈孝〉によって説明がつく。中国社会のさまざまの局面に浸透した〈孝〉をとくに強調したのは儒家であって,《孝経》は五経につぐ重要な地位を与えられた。《孝経》においては,天子から庶人にいたるまでの各階層それぞれの〈孝〉のありかたが説かれるとともに,〈孝〉は天地人の三才をつらぬく宇宙的原理にまで高められている。…

【戸主】より

…改正前の民法旧規定における家族制度の中心的概念で,〈家〉の統率者,支配者。戸主とは,いわゆる家督相続によって得られた地位にほかならないのであり,家督相続は原則として長男の単独相続とされた。…

【婚姻】より

…たとえばナンディ族(ケニア)で,息子をもたない未亡人は,嗣子を得るため,普通の結婚と同じ形式にしたがって〈妻〉を迎える。父系制をとるナンディ族では,家畜や土地などの財産を父から息子へ均分相続で伝えるが,息子をもたず死亡した男の財産はいったん妻が保有する。この財産を亡夫の弟など傍系の父系親族に渡さず,みずから亡夫の身代りとなって〈妻〉をめとり,後継者を確保するのである。…

【親族】より

…その範囲は,任意の個人を中心として,その人との続柄が親族名称を用いて説明できるような広がりをもっている社会的ネットワークである。日本の親族の場合,個人単位の関係に家単位の家連合と呼ばれる枠組みによって規定されつつ機能し,構造化されてきた。つまり,親類(日本語)とか親戚(中国語で宗族と姻戚)と呼ばれ,それを親族とも呼ぶこともあるが,術語としてはまぎらわしさを避けるため親類の語が適切である。…

【親類書】より

…江戸時代,武士が家族・親類の氏名,仕官先,本人との続柄などを書き連ねた文書。一類付(いちるいづけ)などともいう。…

【姓氏】より

… 古代の中国では,〈姓〉字は同一の祖先に出自し,同一の祖神を信奉する血縁集団を指しており,ラテン語のgens,英語のclanにほぼ該当する語であった。これに対して〈氏〉の字は〈姓〉を構成する個々の家族,または同一の祖先から分岐した家族を意味していたが,漢代のころから姓と氏とは混用されるようになり,姓=氏と言う傾向が顕著となった。したがって,たとえば陽明学の始祖である王守仁の場合,〈姓は王氏,名は守仁,字は伯安,号は陽明,敬称して陽明先生という〉と記されるのである。…

【相続】より

…また,相続は,財産法上の地位の承継であって,身分法上の地位(たとえば,夫であること)には及ばない。明治民法では戸主の地位の承継としての家督相続が認められていたが,現行民法はそれを全廃したため,相続は純粋に財産法上の地位すなわち権利・義務の総体の承継となった。なお,財産法上の権利義務であっても,扶養請求権のような一身専属的な性質を有するものは除外される(民法896条但書)。…

【中国】より

…〈士は己を知るもののために死す〉とは俠者のことにすぎない(俠と儒とは対極概念)。事実,歴史をふりかえってみても,社稷(しやしよく)(国家)に殉じた臣というものはいくらでも思い出せるが,君主に殉じた臣というものを思い出すのはむつかしい。
[日本と中国]
 中国について何かをいうことは,やさしいようで実は大変むつかしい。…

【中世法】より

…日本ではおよそ11~12世紀から16世紀までの間に現れた国家法および個別の団体法の総体をいう。
【中世法の形成】
 11~12世紀ごろ,古代国家が解体し,代わって王朝国家が姿を現すと,形骸化した律令法に代わる新しい法体系が成長して,王朝国家を支えることとなる。…

【武士】より

…平安後期~江戸時代の武を職能とする集団またその構成員。院政期ころより身分として定着しはじめ,〈武家〉とも呼ばれるようになった。
【中世】
 武芸すなわち弓射騎馬を専業とする者,または武勇をもって主人に仕え戦場で戦う人をいい,一般に〈もののふ〉〈武人〉〈武者〉〈(さむらい)〉などと同義語。…

【身分制社会】より

…ヨーロッパの中世都市は,古代のポリスやキウィタスとは異なり,農村地域とはっきり区別された特別の法領域であったから,聖職者や貴族など封建領主たる上位の諸身分に対しては,市民が農民とともに〈平民〉身分(フランスの〈第三身分〉)とみなされることもありえたが,法制上,市民は明らかに農民と別個の身分であった。ただ,イギリスにおいては,かなり早くから下級貴族たる騎士身分が,軍役代納金制の普及や傭兵使用の開始により,戦士の機能を失って地主化の道を歩んだため,ジェントリーという独特な名望家階層が形成された。しかもこのジェントリーは,生業のうえでも,血縁関係からも,都市の市民と密接なつながりをもつようになったので,イギリス議会の下院はジェントリーと市民の代表を合わせた〈庶民Commons〉から構成され,このことは,フランスやドイツ諸邦などに比して,イギリスの身分制社会がかなり流動的な性格をもっていたことを示している。…

【苗字帯刀】より

…中世以来近世を通じての武士身分の基本的属性。武士身分の基本単位は〈家〉であり,〈家〉とは父子相伝を基本とする一個の団体で,個々の家の支配領域ないし所有物としての家産(所領,禄米),〈武〉という伝来の家業,一個の団体の名としての家名の統一物であったが,この家名,家業ということにかかわって苗字,帯刀が武士身分の基本的属性をなしていた。もっとも,中世には上層農民の中にみずから武装し苗字を名のる者があったが,近世に入って兵農分離,刀狩等の一連の国家の政策によって,苗字帯刀が原則として武士身分に固有の特権であることが制度的に確定される。…

【養子】より

…このように養子制度が必ずしも人類にとって不可欠の社会制度でないという事実は,それがなんらかの社会的需要と結合したものであることを意味する。事実,ローマ古法では祭祀の存続が国家的重要事と考えられ,そのため後継者を欠く家長は他の家長を養子としたが(アドロガティオ),これは〈家〉の吸収合併のようなものであり,現代の養子とはその内容をまったく異にする。ローマには家長が他家の家子を養子とするいま一つの養子制度があり(アドプティオ),これは相互扶助と財産相続のために利用されたが,ユスティニアヌスの時代(6世紀)には〈自然模擬〉の観念から養親適齢,年齢差の制限を加えるとともに,縁組効果の点でも養子は養親の父権に服しない〈不完全養子〉の形態を認めた。…

【嫁】より

…自己の妻,あるいは新妻をさす場合もある。日本の婚姻は,個人よりも,家と家との関係でむすばれることが多く,配偶者の選択にあたっては家格のつりあいが重視された。嫁入婚の場合,女は婚出して夫の両親とともに生活することが多く,男の妻としての嫁よりは,家の嫁,夫の両親との関係における嫁としての意味が強かった。…

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