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郵便貯金 ゆうびんちょきん

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

郵便貯金
ゆうびんちょきん

郵便事業者が行なう預貯金受け入れ事業。1861年イギリスで初めて採用された。その業績が良好なのをみて日本も 1875年にこの制度を取り入れた。総務省郵政事業庁貯金部の傘下にある約 2万の郵便局を活用して大衆零細預金を吸収したもので,最も庶民に親しまれた貯金だった。

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デジタル大辞泉の解説

ゆうびん‐ちょきん〔イウビン‐〕【郵便貯金】

郵便局を窓口として提供される貯金事業。1861年に英国で始まり、各国に広がった。日本では明治8年(1875)に創設され、平成19年(2007)に郵政事業が民営化されるまで行われた。
[補説]郵政民営化前に日本郵政公社が行っていた郵便貯金事業は、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構株式会社ゆうちょ銀行に引き継がれた。

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百科事典マイペディアの解説

郵便貯金【ゆうびんちょきん】

郵便局で扱う国営貯金。1876年に始まり,現在は郵便貯金法(1947年)に基づき,日本郵政公社の管轄下にある。通常・積立・定額・定期の4種がある。利率は同種の銀行預金よりやや高い。
→関連項目郵政省郵便局

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうびんちょきん【郵便貯金】

郵便局で取り扱う,小口の個人貯蓄を目的とした国営貯金事業であり,次の6種類のものがある。(1)通常郵便貯金 随時に任意の金額を預入れ,払戻しできるもので通常貯金と通称(銀行の普通預金に対応),(2)積立郵便貯金 据置期間を2年間とし,その間毎月1回の収金に応じて一定金額を預入れするもの(同,積立定期預金),(3)定額郵便貯金 6ヵ月の据置期間があり,預入れ金を分割して払い戻さない条件で,一定の金額を一時に預入れするもので定額貯金と通称,(4)定期郵便貯金 一定の預入れ期間(6ヵ月と1年)があり,その期間内には払戻しをしない条件で,一定の金額を一時に預入れするもので定期貯金と通称(同,定期預金),(5)住宅積立郵便貯金 自己の居住用住宅の建設または購入のために,住宅金融公庫等から資金の貸付けを受け,かつ必要な資金を貯蓄する目的で,一定の据置期間(3~5年)を定めて,一定の金額をその期間中毎月1回預入れするもの,(6)進学積立郵便貯金 貯金者またはその親族の進学につき,国民金融公庫等から進学資金の貸付けを受け,かつ必要な資金を貯蓄する目的で,一定の据置期間(1~3年)を定めて,一定の金額をその期間中毎月預入れするもの,である。

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大辞林 第三版の解説

ゆうびんちょきん【郵便貯金】

郵政省が所管していた国営の貯金事業。郵政民営化以降は、定期性貯金を除き株式会社ゆうちょ銀行が契約を継承。定期性貯金については、政府保証を継続し、郵便貯金簡易生命保険管理機構が契約を継承。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

郵便貯金
ゆうびんちょきん

郵政民営化前に日本郵政公社が郵便局の窓口を通じて行ってきた貯金事業。2003年(平成15)4月1日、総務省郵政事業庁(旧、郵政省)の郵政三事業を引き継いで国営公社「日本郵政公社」が発足、郵便貯金事業も同公社に引き継がれた。その後、郵政民営化により、2007年10月1日、日本郵政公社が日本郵政グループへと民営化、分社化され、日本郵政公社は廃止された。日本郵政グループは、持株会社日本郵政株式会社」と、四つの事業会社郵便局株式会社(郵便局)」「郵便事業株式会社日本郵便)」「株式会社ゆうちょ銀行」「株式会社かんぽ生命保険(かんぽ生命)」となり、郵便貯金に関する業務は、ゆうちょ銀行と独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(以下、郵貯・簡保管理機構と略す)へと引き継がれた(2012年10月1日「郵便局株式会社」と「郵便事業株式会社」は統合し、「日本郵便株式会社」となった)。
 郵便貯金は、1875年(明治8)の創業以来、終始一貫して個人貯蓄分野の中心的地位にたち、貯蓄心の涵養(かんよう)と国民の健全な資産形成に重要な役割を果たしてきたといえよう。[原 司郎・北井 修]

特徴

元来、郵便貯金の特徴の第一は、全国に2万有余あった郵便局の窓口で、あまねく公平なサービスを提供するということから、その利用が国民全般にとって、もっとも手近で親しみやすいところにあった。このため、郵便貯金は、ほとんどすべてが個人の利用であって、一口座当りの金額も小さく、長期滞留性をもつ個人貯蓄性預金の集積となっており、かつその利用状況も特定の階層に偏ることなく、普遍的なものとなってきた。
 第二の特徴は、郵便貯金として集められた資金は、全額、旧大蔵省資金運用部に預託することが義務づけられていた。この資金の大部分は、大蔵省によって国債の消化と財政投融資の原資として運用されていたが、1987年度(昭和62)以降、一部の資金は金融自由化対策資金としてふたたび郵便貯金特別会計に貸し付けられ、郵政大臣が国債、地方債、政府保証債、金融債、事業債、外国債、元本補償のある金銭信託、銀行預金などに運用していた。したがって預金を集める経費は、支払利子とともに資金運用部からの預託利子収入と金融自由化対策資金の運用によって得られた運用収益となっていたが、預託利率は市場金利を参考として大蔵大臣が資金運用審議会の議を経て決定することとなっていた。その後、2001年(平成13)の中央省庁再編で大蔵省から改称された財務省(理財局)が、財政融資資金(旧、資金運用部資金)の運用を引き継いだ。しかし、この郵貯と簡易保険は総務省の、2003年からは日本郵政公社の自主運用となったことから、財務省の運用資金は大幅に減ることになった。また、資金運用審議会は2001年に廃止され、財務省の財政制度等審議会財政投融資分科会に引き継がれた。
 第三の特徴は、郵便事業および簡易生命保険事業と共同経営されていることや経営努力により効率的な事業経営がなされ、その経費率が低いことであった。[原 司郎・北井 修]

種類

民営化される以前、郵便貯金には、通常郵便貯金(随時預入れおよび払戻しができる貯金)、積立郵便貯金(一定の金額を毎月1回集金に応じて預入れする貯金)、定額郵便貯金(半年ごとに利子が自動的に付され、10年まで預入れできるが、半年を過ぎるといつでも払い戻すことができる貯金)、定期郵便貯金(6か月、1年といった期間を定め、まとまった金額を一時に預入れする貯金)、住宅積立郵便貯金(自己の居住の用に供する住宅の建設または購入につき旧住宅金融公庫=住宅金融支援機構へ事業継承=などから資金の貸付を受け、かつ必要な資金を貯蓄することを目的として一定の金額を毎月1回預入れする貯金)、教育積立郵便貯金(自己またはその親族の進学などにつき、国民生活金融公庫=日本政策金融公庫へ事業継承=などから教育資金の小口貸付を受け、かつ必要な資金を貯蓄することを目的として一定の金額を毎月1回預入れする貯金)などの種類があった。これらは民営化後、通常郵便貯金と通常貯蓄貯金(残高が10万円以上の場合、通常貯金よりも有利な利子がつき預入れおよび払戻しが自由な貯金)はゆうちょ銀行、定期性の郵便貯金(定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金、またこれらの満期等が到来し通常郵便貯金となったものを含む)は郵貯・簡保管理機構が継承した。ゆうちょ銀行が継承した通常郵便貯金と通常貯蓄貯金は、それぞれゆうちょ銀行の「通常貯金」「通常貯蓄貯金」となり、それまでの政府保証はなく、他の金融機関と同様、預金保険制度による保護の対象となったが、郵貯・簡保管理機構が継承したものに関しては満期まで政府保証が継続される。また、定額郵便貯金などを担保として元利金額の90%以内で最高300万円まで貸し付ける「郵便貯金担保貸付け」(ゆうゆうローン)については、郵貯・簡保管理機構が継承した。
 従来、郵便貯金の経理は郵便貯金特別会計で処理されていたが、公社発足後は、企業会計原則による(日本郵政公社法第29条。同法は2007年10月1日廃止)、となった。郵便貯金残高は2000年3月末の259兆円をピークに減少傾向をたどり、2006年3月末時点で200兆円で、個人(家計)金融資産に占める郵便貯金の割合は約27%であった(日本郵政公社の発表による)。郵貯・簡保管理機構に継承された郵便貯金残高は、2008年3月末で109兆円、2012年3月末で35兆円となっている。[原 司郎・北井 修]

変遷

郵便貯金は創業以来、その使命からみて利子に対する課税が免除されてきたが、1988年度以降、少額貯蓄非課税制度の廃止(65歳以上の高齢者や母子家庭を除く)とともに、郵便貯金の利子にも一律20%の源泉課税がなされることとなった。なお、郵便貯金の一個人当り預入れ限度は1000万円となっている。また、郵便貯金の利率は、公社発足前は、政令で定めることになっていた。そして、これを変更するときには、郵便貯金の使命に留意し、国民の利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払うとともに、あわせて一般の金融機関の預金の利率についても配慮することとされていた。その際、総務大臣(2000年12月までは郵政大臣)は郵政審議会に諮問しなくてはならない、となっていた。
 郵政公社発足後は、郵便貯金法(昭和22年法律第144号)は次のように改正された。第2条の「郵便貯金の国営」は「郵便貯金の実施」となり、郵便貯金の業務は日本郵政公社が行う、となった。第3条の「国の保証」は「政府保証」となり、政府は貯金の払戻しおよびその貯金の利子にかかわる公社の債務を保証する、となった。貯金の利率については、「公社の定める貯金の利率の決定方針に基づき公社が定める利率によって、利子を付ける」(同法第12条)となり、「貯金の利率の決定方針」については、第70条で、総務大臣の認可を受けなくてはならない。これを変更するときも同様、とある。そして、その決定方針に基づき利率を定めるときは、あらかじめ、総務大臣に届け出なければならない。これを変更するときも同様である、とある。つまり、利率の決定方針については、総務大臣の認可が必要だが、それが認可されれば、利率の決定は届け出だけでいい、ということである。ここでも、公社の経営の自由度は、増したといえる。もちろん、一般の金融機関への配慮が必要、というのは従来どおりである。なお、郵政事業庁時代の「郵政審議会」は名称変更して、「郵政行政審議会」となった。
 2007年10月の民営化以降、それまで日本郵政公社が行ってきた郵便貯金については、郵政民営化法(平成17年10月21日法律第97号、最終改正平成19年5月25日法律第58号)に基づき、ゆうちょ銀行と郵貯・簡保管理機構によって引き継がれた。ゆうちょ銀行およびかんぽ生命は、民営化実施後10年以内に株式を売却し、遅くとも2017年10月までに完全民営化される方針である。[原 司郎・北井 修]
『山口修著『郵便貯金の100年』(1977・郵便貯金振興会) ▽原司郎・山口修著『郵便貯金』(1982・ぎょうせい) ▽金子秀明著『郵貯・郵便局の未来』(1993・東洋経済新報社) ▽小野英子著『郵便局ゆうゆう活用術――貯金・簡易保険・サービスのすべて』(1995・実業之日本社) ▽郵政省郵政研究所編『郵貯・簡保の最新事情』(1996・東洋経済新報社) ▽メディアポート編著『貯める守るはやっぱり郵便局』(1998・オーエス出版) ▽郵便サービス研究会著『図解 郵便局がまるごとわかる本――郵便サービス・郵便貯金・簡易保険』(1998・東洋経済新報社) ▽内堀節夫著『公的金融論――日本の財政と金融の縮図』(1999・白桃書房) ▽永井進著『銀行預金と郵便貯金はどうちがうの?――金融機関の仕事』(1999・ポプラ社) ▽全逓総合研究所編『変革期の郵政事業――課題と展望』(2000・日本評論社) ▽岩田一政他編著『ゆうちょ21世紀モデル――IT時代の郵便貯金』(2000・日本テレソフト) ▽戸原つね子著『公的金融の改革――郵貯問題の変遷と展望』(2001・農林統計協会) ▽塩田潮著『郵政最終戦争――小泉改革と財政投融資』(2002・東洋経済新報社) ▽松原聡著『これならわかる!「郵政民営化」』(2005・中央経済社) ▽筒井義郎著『金融業における競争と効率性――歴史的視点による分析』(2005・東洋経済新報社) ▽池尾和人著『開発主義の暴走と保身――金融システムと平成経済』(2006・NTT出版) ▽星岳雄、アニル・カシャップ著、鯉渕賢訳『日本金融システム進化論』(2006・日本経済新聞社) ▽滝川好夫著『郵政民営化の金融社会学』(2006・日本評論社) ▽滝川好夫著『どうなる「ゆうちょ銀行」「かんぽ生保」――日本郵政グループのゆくえ』(2007・日本評論社) ▽有田哲文・畑中徹著『ゆうちょ銀行――民営郵政の罪と罰』(2007・東洋経済新報社) ▽高橋洋一著『財投改革の経済学』(2007・東洋経済新報社) ▽宮脇淳著『財政投融資と行政改革』(PHP新書) ▽財部誠一他著『郵貯が危ない』(徳間文庫)』

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世界大百科事典内の郵便貯金の言及

【金融政策】より


[政策主体]
 金融政策の主体は各国の中央銀行または中央銀行に代わる通貨当局である。日本では日本銀行が金融政策の直接の責任者であるが,金融市場に大きな影響を与える国債の種類,発行条件,借換債の種類,条件等の決定は大蔵大臣によって,また郵便貯金の金利は郵政大臣が郵政審議会に諮問し政令で定められる。 日本銀行の行う金融政策については,1949年6月の日本銀行法の一部改正によって日本銀行政策委員会が設けられ,公定歩合の決定,公開市場操作実施の方針,市中金利の最高限度の決定,準備預金制度の準備率の決定・変更等はすべてこの政策委員会によって決定される。…

【少額貯蓄非課税制度】より

…なお総合課税か分離課税かの選択ができる源泉分離選択課税制度もある。少額貯蓄非課税制度による非課税貯蓄の範囲は,(1)一般金融機関の預貯金(いわゆる勤務先預金を含み,郵便貯金を除く),(2)合同運用信託(金銭信託および貸付信託),(3)公社債(国債,地方債,政府保証債,利付金融債,社債等の債券)および証券投資信託となっている。本制度利用可能者は所得税法上所得納税の義務ある個人に限定されている。…

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