最新 地学事典 「引金作用」の解説
ひきがねさよう
引金作用
trigger action
現象に比べその原因となるにははるかに微小な力が特別な条件下で現象を引き起こすとき,現象に対しこの微小な力の作用を呼ぶ。地震の場合,地殻内等で歪みが臨界状態に近いとき,外的要因で地震が引き起こされる場合があるが,このときの外的要因の影響を引金作用と呼ぶ。引金作用の代表的な例は地球の潮汐で,古くから浅い地震の発生時刻と地球潮汐や海洋潮汐の相関がよく調べられている。また大地震の発生により,その震源域から少し離れた地域で地震活動が急に活発になる事例がある。この場合は大地震の発生による応力変化が引金作用となっている。その他大地震の表面波がある地域を通過したとき,その波動による歪み変化により微小地震が発生した事例もある。また水による誘発地震の場合は,水が引金作用を演じている。デンバーでの廃水注入による地震群の発生はこの例である。
執筆者:石川 有三
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

