マグニチュード(M)が3未満の地震。M1以下を極微小地震という。条件がよければMが-2程度の地震まで観測できる。ある地域に一定の期間中に起こる地震のM別の度数を調べると,Mを1小さくとるごとに,そのM以上の地震の総数は数倍ないし10倍になる。この法則(グーテンベルク=リヒターの法則)が微小地震についても成り立つとすれば,微小地震の発生度数はたいへん多いはずである。微小地震の観測は1948年ごろ日本で始まり,M3から-1程度の範囲でも上記の法則がほぼ成り立っていることが確かめられた。したがって,地震活動があまり高くない地域でも,微小地震を観測すれば比較的短い期間に多量のデータが得られ,地震活動の程度やその時間的変化,震源の分布と地球内部の構造との関係などについての有力な情報を得ることができる。微小地震の観測には1ないし数十Hzの周波数帯で倍率のきわめて高い地震計を用いるため,常時微動の大きい場所では観測できない。
執筆者:宇津 徳治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…この揺れのことを地震動というが,一般には地震動のことも地震と呼んでいる。
[マグニチュードと震度]
地震には,数百kmの範囲にわたって強い地震動をもたらし,大災害を生じるような巨大地震から,地震動は人体に感じられず,高感度の地震計だけが記録するような微小地震まで,大小さまざまなものがある。地震の大きさ(規模)はマグニチュードによって表示される。…
※「微小地震」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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