弘決外典鈔(読み)ぐけつげてんしょう

精選版 日本国語大辞典 「弘決外典鈔」の意味・読み・例文・類語

ぐけつげてんしょうグケツゲテンセウ【弘決外典鈔】

  1. ( 「ぐけつげでんしょう」とも ) 「摩訶止観」の注釈書である唐の湛然(たんねん)の「止観輔行伝弘決」四〇巻中に引用された外典漢文を抄録し、注解を加えたもの。村上天皇の皇子具平親王の著。四巻一〇編。正暦二年(九九一成立

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「弘決外典鈔」の意味・わかりやすい解説

弘決外典鈔
ぐけつげてんしょう

唐の妙楽大師荊渓湛然 (けいけいたんねん) が著わした仏書『摩訶止観輔行伝弘決 (まかしかんぶぎょうでんぐけつ) 』のなかに引用された漢籍出典示し,注解を加えた書。村上天皇の皇子具平親王の著。4巻。正暦2 (991) 年成立。漢籍は『周易』『尚書』など 59書に及ぶ。すでに散逸して,この書中のみに伝わる本もある。古写本に金沢文庫本と三条家本とがある。

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世界大百科事典(旧版)内の弘決外典鈔の言及

【具平親王】より

…村上天皇の第7皇子で六条宮,前中書王(兼明親王)に対して後中書王(ごちゆうしよおう)と称される。幼少より慶滋保胤(よししげのやすたね)に師事して学問詩文を学び,その思想的影響を受け,991年(正暦2)には天台宗の重要典籍である湛然の《止観輔行伝弘決(しかんぶぎようでんぐけつ)》に引用された漢籍の出典を明らかにし,これに注解を付けた《弘決外典鈔(ぐけつげてんしよう)》を選述した。本書にあげられた漢籍には現在伝わらないものも多い。…

※「弘決外典鈔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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