強制排流法(読み)きょうせいはいりゅうほう(その他表記)forced elimination of corrosive current

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「強制排流法」の意味・わかりやすい解説

強制排流法
きょうせいはいりゅうほう
forced elimination of corrosive current

地中水中の金属は陽極化して腐食しやすい (→金属の腐食 ) 。特に1本架線の郊外電車などは軌条が接地電極になっているので,そこから漏れた電流が水を電気分解して酸素を発生させ,付近に埋設されたケーブル鉛被,水道管,ガス管などを酸化腐食する現象が起りやすい。これを防ぐ方法が強制排流法で,炭素棒などの不溶性物体または屑鉄などの安価な材料を用い,外部から直流を加えてこれらを陽極化し,目的金属への漏洩電流を強制中和して防食の目的を達する。海水中での陽極材料としてチタン白金をメッキしたものが使われる。なおこれと別に,外部からは電流を与えず,亜鉛,マグネシウムのような卑金属 (陽極) を挿入し,対比的に目的金属を陰極化して防食する方法もある (→マグネシウム合金 ) 。

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