強行規範(読み)きょうこうきはん(その他表記)ius cogens

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「強行規範」の意味・わかりやすい解説

強行規範
きょうこうきはん
ius cogens

規範を逸脱する条約規定を無効にする法規範をいう。国は自由な合意に基づいて締結した条約には原則として拘束されるが,その内容が強行規範とみなされる法規に抵触する場合には,当事国はその無効を主張できる。条約法に関するウィーン条約は,締結のときに一般国際法の強行規範と抵触する条約は無効であると規定したが,何が強行規範であるかについては,構成されている国際社会全体が受入れ,かつ認めたものと規定するだけで,国によりそれを特定するための基準は明示しなかった。一般には高い道徳原則によって導かれ,国際社会の基本的な共同利益を内容とすることが強行規範の特性であるとされ,奴隷売買,海賊行為侵略などの禁止がその代表例として上げられる。

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