影供(読み)エイグ

デジタル大辞泉 「影供」の意味・読み・例文・類語

えい‐ぐ【影供】

神仏故人の像に供物をして祭ること。特に、中世に流行した人丸ひとまる影供のこと。みえいく。
「土御門内大臣家に毎月に―せらるることの侍りしころ」〈無名抄

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精選版 日本国語大辞典 「影供」の意味・読み・例文・類語

えい‐ぐ【影供】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神仏や故人などの肖像に、供え物をしてまつること。みえいく。
    1. [初出の実例]「神祇伯顕仲に清書せさせて、本尊として始めて影供せられける時に」(出典:十訓抄(1252)四)
  3. えいぐうたあわせ(影供歌合)
    1. [初出の実例]「故土御門内府亭にて影供ありし時、釈阿は、これ程の歌たやすくいできがたしと申しき」(出典:後鳥羽院御口伝(1212‐27頃))

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世界大百科事典(旧版)内の影供の言及

【歌仙絵】より

…平安時代の歌合の盛行は歌論の発達を促し,古今の優れた歌人に対する尊崇の念を強めた。すでに11世紀には歌仙として最も尊崇されていた柿本人麻呂の像を描かせることが始まっていたようで,12,13世紀には人麻呂の画像をまつって歌道精進を祈念する人麻呂影供(えいぐ)の歌会が盛んに行われている。古聖人の像を描くことは,古くは奈良時代に始まる釈奠(せきてん)での孔子像の例があり,その他紫宸殿の賢聖障子や888年(仁和4)に巨勢金岡が描いた詩聖の像などが知られる。…

※「影供」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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