影富(読み)カゲトミ

デジタル大辞泉 「影富」の意味・読み・例文・類語

かげ‐とみ【影富】

江戸時代富籤とみくじ本富ほんとみの何番が当たるかを賭け合ったばくち一種。→本富

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精選版 日本国語大辞典 「影富」の意味・読み・例文・類語

かげ‐とみ【影富】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代の博奕(ばくち)の一種。社寺公許富籤(とみくじ)が興行されたとき、その当たり籤を当たりとして、少額金銭を賭けて行なう富籤。第付け。⇔本富(ほんとみ)
    1. [初出の実例]「是に依て容易の者札買がたきを以て、いつの頃よりか、影富(カゲトミ)といふ事天行(はやり)内証にて元方をする者武士町家に数多有て、毎月目黒谷中湯島三ケ所の一の富の出番を以て、影富の当りを定めて、利徳を争ふ」(出典遊歴雑記(1829)初)

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世界大百科事典(旧版)内の影富の言及

【賭博】より

…無許可の富くじを〈隠富(かくしとみ)〉と呼んで数多く催され,処罰された例も多い。また,公許の富くじを利用した賭博で〈影富(かげとみ)〉というのが考案された。最初は富札を買うことのできない極貧層の間ではじまったといわれ,公許の富突の当選番号を当てる賭博である。…

【富くじ(富籤)】より

…今日の宝くじと同じように庶民の射倖心を誘うものであった。富くじの流行は文化期(1804‐18)から天保(1830‐44)初期にかけて頂点に達し,影富(蔭富)といわれる富札の代用物まで現れ,富札を買い求めることができなかった者たちがこれを買い入れ,実際に行われた富くじ興行での当選番号に対するかけをした。この影富の富札は低廉で銭数文(現在の数十円)で買い求めることができたので,市井の間で盛んに行われた。…

※「影富」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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