遊歴雑記(読み)ゆうれきざつき

日本歴史地名大系 「遊歴雑記」の解説

遊歴雑記
ゆうれきざつき

五編一五冊

別称 十方庵遊歴雑記 津田大浄著

成立 文化九年―文政一一年

原本 国立公文書館内閣文庫・神奈川県万福寺

写本 国会図書館(六冊)ほか

解説 著者は江戸小日向廓然寺の住職紀行文集であるが、筆は名所旧跡・風俗伝説に及び、内容は多彩で記述は精細、談論風発して独自の批評眼がうかがえる。一五冊ほぼ一千編のうち埼玉県地域に関するもの一二七編。葛飾新座足立入間高麗比企・横見・大里・男衾・那賀児玉秩父・埼玉諸郡の社寺名勝・古跡古物・伝説・市場・在方町の景観などを書きとめている。

活字本 江戸叢書三―七・「新編埼玉県史」資料編一〇(埼玉県域関係分)

遊歴雑記
ゆうれきざつき

五編一五巻一五冊

別称 十方庵遊歴雑記 大浄(敬順)

成立 文化一一年序

原本 国立公文書館内閣文庫(自筆一五冊)

写本 国立国会図書館(六冊)・東京大学(初編上、四冊)・高木文庫

解説 大浄が文化九年の隠居後に記した名所・旧跡探訪の紀行文。本書は全九五六話で、江戸近郊を中心に上野国・相模国尾張国等に記述が及ぶ。当時から江戸近郊を描いた好資料として知られ、「御府内備考」の「浅草甚内橋」の条にも引用される。

活字本 江戸叢書三、「遊歴雑記初編」一・二(東洋文庫)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報