往生講式(読み)おうじょうこうしき

精選版 日本国語大辞典 「往生講式」の意味・読み・例文・類語

おうじょうこう‐しき ワウジャウ‥【往生講式】

〘名〙 仏語往生講の儀式作法を記した書物。順次往生講式、阿彌陀講式とも。三論宗永観の著したものは有名。
千載(1187)釈教・一二五五・詞書「往生講式かき侍ける時、教化の歌とてよみ侍ける」

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改訂新版 世界大百科事典 「往生講式」の意味・わかりやすい解説

往生講式 (おうじょうこうしき)

東大寺三論宗永観(ようかん)撰。1079年(承暦3)または96年(永長1)の作。毎月十斎日に行う往生講の作法で,永観が京都東山で行った往生講のために作ったものであろう。阿弥陀迎接(ごうしよう)像を安置し,香花等をそなえ,一座七門の講演を行う。七門は発菩提心門,懺悔業障門,随喜善根門,念仏往生門,讃嘆極楽門,因円果満門,回向功徳門で,それぞれに歌頌(かしよう)を付し最後に釈迦の徳を礼讃して終わる。
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世界大百科事典(旧版)内の往生講式の言及

【講式】より

…数段にわけられた創作的な講式文や,ときには歌讃(声明(しようみよう))なども加えられて,仏菩薩や高僧などの徳を讃嘆したり,特定の信仰や行業を勧化する。たとえば永観の《往生講式》は発菩提心,懺悔業障,随喜善根,念仏往生,讃嘆極楽,因円果満,回向功徳の七門にわかって,往生極楽の宗教心を高揚し,念仏行を策励する。この講式を法則として営まれたのが往生講である。…

※「往生講式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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