得田(読み)とくでん

精選版 日本国語大辞典 「得田」の意味・読み・例文・類語

とく‐でん【得田・徳田】

  1. 〘 名詞 〙 令制下から中世水旱・虫・霜などの災害による損失がなく、通常収穫ができた田。
    1. [初出の実例]「得田若干」(出典:延喜式(927)二七)
    2. 「御年貢損徳田注進状也〈略〉玖町一反四十歩 徳田」(出典:東寺百合文書‐は・正和四年(1315)一〇月一五日・若狭太良庄作稲損亡撿見注進状)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の得田の言及

【損免】より

…自今以後に於いては,所務人地主名主作人等立相内検せしめ,立毛に応じて之を乞い,下行有るべし〉(六角氏式目13条)などと見えるように,中世においては自然災害による被害がひどい場合,百姓たちは損免要求を行い,作毛を刈り取らず領主側に被害状況を認識させ,収穫の減少することを認めさせる手続が必要となる。代官の派遣を得て内検注による調査が行われ,通常の収穫のあった〈得田〉と被害をうけた〈損田〉とを調査した上で,年貢決算が行われた。少額の減免は例年みられたが,大規模な損免は百姓らの損免要求の力に負うところが大きかった。…

※「得田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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