日本歴史地名大系 「御宿浦」の解説 御宿浦おんじゆくうら 千葉県:夷隅郡御宿町御宿村御宿浦[現在地名]御宿町新町・六軒町・浜など清水(しみず)川が太平洋に注ぐ河口の網代(あじろ)湾一帯を御宿浦と称し、江戸時代を通して御宿村四ヵ村(浜・須賀・久保・高山田)の入会浦であった。江戸時代初頭の房総はそれほど漁業が盛んではなかったとされ、慶長一四年(一六〇九)九月に岩和田(いわわだ)村に漂着したドン・ロドリゴの「日本見聞録」にも本格的な漁業が行われていなかったとある。しかし元和年間(一六一五―二四)に紀伊国を中心とする関西の漁民が進出し、御宿浦の漁業も発達した。同九年の御宿村年貢納帳(御宿町史料)では舟役永二五〇文・ごさい銭永二五〇文。寛永四年(一六二七)に舟役永は五〇〇文で、同一〇年からはべつに鮑三〇盃が追徴されている(同史料)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報