精選版 日本国語大辞典 「御座ます」の意味・読み・例文・類語
ござり‐ま・す【御座ます】
[一] 動作・存在の主を敬って用いる。多く、相手の動作に用いて高い敬意を表わす。
① 「来る」の尊敬語。命令形「ござりませい」という形で人を迎える挨拶(あいさつ)語となる。
※狂言記・吟聟(1660)「こりゃ、どなたから御ざりました」
② 「行く」の尊敬語。
③ 「いる」の尊敬語。
※虎寛本狂言・粟田口(室町末‐近世初)「申(まうし)頼うだ人、御ざりまするか。太郎くはじゃ戻りまして御ざる」
[二] 「ある」の丁寧語。「ござる」よりも丁寧の度合が高い。
※虎寛本狂言・鶏聟(室町末‐近世初)「『あの様なえぼしが有るか』『中々、御座りまする』」
[三] 補助動詞「ある」「いる」の丁寧語である「ござる」をさらに丁寧にいった語。
※虎寛本狂言・秀句傘(室町末‐近世初)「殊之ほかおもしろう御ざりまする」
[語誌]→「ございます(御座━)」の語誌
ござい‐ま・す【御座ます】
〘自サ特活〙 (「ござります」の変化した語。活用は、「せ(しょ)・し・す・す・すれ・〇」) 近世後期江戸語から発生した語。
[一] 「ある」の丁寧語。あります。
※洒落本・意妓口(1789‐1801頃)三「けさはまだなんにもございません」
[二] 補助動詞「ある」の丁寧語。あります。
[語誌](1)初め、「ござります」と併用され、「ござります」が最高の敬意を表わすのに対し、「ございます」はそれより丁寧さが劣り、くだけた場面で用いられた。
(2)幕末になると「ござります」が衰え、「ございます」が一般化した。
(2)幕末になると「ござります」が衰え、「ございます」が一般化した。
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