精選版 日本国語大辞典 「御蔭参」の意味・読み・例文・類語
おかげ‐まいり‥まゐり【御蔭参】
- 〘 名詞 〙
- ① 江戸時代、間欠的におこった大群衆の伊勢参り。伊勢の御師(おし)などの活動により、近世初期に伊勢信仰が大いに広まり、伊勢参宮が流行したが、とくにお蔭(恩恵)のいただけるありがたい年としてのお蔭年の観念が発生し、約六〇年を周期として顕著にあらわれた。季節は三月ごろが多かった。抜参(ぬけまいり)。おかげ。《 季語・春 》
- [初出の実例]「ある物、宝永二年伊勢の大御神の宮に、おかげ参りとて、国々の人共おびただしくまうづる事の有し」(出典:随筆・玉勝間(1795‐1812)三)
- ② 疫病などが無事になおったことを感謝して神社仏閣に参詣すること。
御蔭参の語誌
( 1 )「抜け参り」とも称するのは、主人や親の許可も通行手形もないまま、着のみ着のままに参詣するものが多かったことによる。
( 2 )幕末にいたって、参詣と切り離されて各地で熱狂的な踊りだけが行なわれたのが「ええじゃないか」である。