心の空(読み)ココロノソラ

デジタル大辞泉 「心の空」の意味・読み・例文・類語

こころ‐の‐そら【心の空】

心を空にたとえていう語。心の中。
「世をいとふ―の広ければ入る事もなき月も澄みなん」〈拾玉集・一〉
うわのそらになって何も手につかないこと。
「さして行く山のもみなかきくもり―に消えし月かげ」〈新古今・恋四〉

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精選版 日本国語大辞典 「心の空」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 の 空(そら)

  1. 心を空にたとえていう。心の中。ここち。
    1. [初出の実例]「君こふる心のそらは天の川かひなくて行く月日なりけり」(出典:兼盛集(990頃))
  2. に、心もそぞろになる意の「空」をかけた表現。
    1. [初出の実例]「いかにせん山の端にだにとどまらで心の空に出でん月をば〈道綱母〉」(出典:後拾遺和歌集(1086)雑一・八六九)
  3. 気持ゆとり。心の暇。
    1. [初出の実例]「中将の君もよるひる三条にそさふらひ給て、心のそらなくものの給て」(出典:青表紙一本源氏(1001‐14頃)行幸)
  4. (こう)名称伽羅(きゃら)の属。

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