心後る(読み)ココロオクル

デジタル大辞泉 「心後る」の意味・読み・例文・類語

こころおく・る

思慮が足りない。気がきかない。
「かくまで―・れ、思ひやりなき事し出で給ふべしとは」〈狭衣・三〉
心がひるむ。気おくれする。
「あやしく―・れても進み出でつる涙かな」〈梅枝

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心後る」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 後(おく)

① 心の働きや美的感覚などが劣っている。頭の働きが鈍い。考えが幼稚だ。
源氏(1001‐14頃)帚木「その折につきなく、目にとまらぬなどを、推しはからず詠み出でたる、中中心をくれて見ゆ」
狭衣物語(1069‐77頃か)三「かくまで、心をくれ、思ひやりなき事し出で給ふべしとは思はざりけるよ」
② 気おくれする。弱気になる。おじけづく。
※源氏(1001‐14頃)梅枝「怪しく心をくれても進みいでつる涙かな」
青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春「心怯(ココロオク)れて、電報の話が出ても口を出さずに居た」

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