志摩郡(読み)しまぐん

日本歴史地名大系 「志摩郡」の解説

志摩郡
しまぐん

面積:一七九・六四平方キロ
浜島はまじま町・志摩しま町・大王だいおう町・阿児あご町・磯部いそべ

県中東部にあり、志摩半島の南半部を占める。北半部の鳥羽市とともに志摩半島を形成し、東側と南側は太平洋に面し、西は伊勢市・度会わたらい南勢なんせい町に接する。紀伊半島の東端リアス海岸をなして、的矢まとや湾・英虞あご湾の湾入のほか、安乗あのり崎・大王崎・むぎ崎・御座ござ岬などが太平洋に突出し、伊勢志摩国立公園地域となっている。隆起海食台地で低地が乏しく、水田に適せず林地・畑地が多い。ただ磯部町神路かみじ川下流域に少し平地が開け、唯一の穀倉地となっている。

郡名の初見は平城宮出土木簡の「志摩国志摩郡手里戸主大伴部(荒)(海)藻根二斗□(和)□五年四月廿日」であって、次いで同木簡に「志摩国志摩郡伊雑郷□□里戸主大伴小咋(調)海藻六斤、養老二年四月三日」とある。前者を和銅五年とすれば七一二年で、後者のそれに先立つこと六年である。「手」は現在の答志とうし島のことであり「伊雑」は現磯部町で、少なくとも養老二年(七一八)までは志摩国は志摩郡のみの一国一郡であったと思われる。「続日本紀」養老三年四月二八日の条に「分志摩国塔志郡五郷、始置佐芸郡」とあるから志摩郡は塔志とうし郡と改称され、それが二分されて塔志郡と佐芸さき郡となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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