リアス海岸(読み)りあすかいがん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リアス海岸」の意味・わかりやすい解説

リアス海岸
りあすかいがん

丘陵性ないし山地性の地域において、陸上侵食によって形成された谷が、海面の上昇あるいは地盤下降のため沈水してできた海岸。海岸線は湾が連なり、出入りに富んでいる。氷食を受けて形成されたフィヨルドとは成因が違う。また、フィヨルドほど水深が深くない。リアスriasは、スペイン北西のガリシア地方、アストリア地方の山地に発達する細長い入り江の名称リアriaおよびリアの多い地方(Costa de Rias Altas)の名称に由来する。

 日本にはリアス海岸が多数存在するが、代表的な地形は、東北地方の三陸海岸、四国西岸、九州北西岸、若狭(わかさ)湾(福井県)などである。リアス海岸の湾頭には、漁港、商港が開け、古くから人々は海洋とかかわってきた。リアス海岸は、リアス式海岸ともよばれた。

[豊島吉則]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リアス海岸」の意味・わかりやすい解説

リアス海岸
リアスかいがん
rias coast

河谷に刻まれた山地か丘陵地が,海面に対して相対的に沈降した結果形成される屈曲の多い海岸。尾根部は岬となって海に突出し,河谷部はおぼれて湾となる。スペインの西北岸でこの種の入江をリア Riaと呼ぶことに由来。日本では三陸海岸,英虞湾が有名。

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