日本歴史地名大系 「応神山」の解説 応神山おうじんやま 岡山県:笠岡市笠岡村応神山笠岡市南部にそびえる山で、標高二一九メートル、笠岡湾(富岡湾)干拓がなされる以前は南麓に入江が湾入していた。古くは笠目(かさめ)山とも呼称。頂上には応神岩・夫婦岩など花崗岩の奇岩が点在、眺望がよく、笠岡諸島をはじめ瀬戸内海の島々、中国山地の山々も一望にでき国指定名勝。「新撰姓氏録」には、応神天皇が吉備国に巡幸した折「加佐米山」に登って狩をしたとみえ、加佐米山は当山のこととされる。正応元年(一二八八)の大嘗会の大蔵卿隆博の歌に「あめが下かさめの山の草木まで春のめぐみの露ぞあまねき」(夫木抄)とあり、当地を詠んだものといわれるが、「備中名勝考」は西方の吸江(きゆうこう)山にかさめ松とよぶ松があることから、「かさめの山」を吸江山にあてる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by