(読み)かたじけな

精選版 日本国語大辞典 「忝」の意味・読み・例文・類語

かたじけな【忝】

  1. ( 形容詞「かたじけなし」の語幹 ) かたじけないこと。おそれ多いこと。ありがたいこと。「や」を伴って感動をこめていう時に用いられることが多い。
    1. [初出の実例]「あなかたじけなや。わづらはしく御こころざしあるを、あふごえ給へる」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲中)

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普及版 字通 「忝」の読み・字形・画数・意味


8画

(異体字)
8画

[字音] テン
[字訓] はじる・はずかしめる・かたじけなし

[説文解字]

[字形] 形声
声符は天(てん)。漢碑の字はみな天に従う。〔説文〕十下に「辱むるなり」とあり、〔詩、小雅、小宛〕に「爾(なんぢ)の生(親)を忝むること無(なか)れ」という句がある。また(てん)と通用する。国語では「かたじけなし」とよむ。

[訓義]
1. はじる、はずかしめる。
2. かたじけなし、かたじけなくする。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕忝 波豆(はづ) 〔名義抄〕忝 カタジケナク・ハヅカシム 〔字鏡〕忝 カタジケナシ・ハジ・ハヅカシ

[語系]
忝thyam、・靦thyenは声義に通ずるところがあり、は〔説文〕十下に「・徐(山東)にては慙(は)づることを謂ひてと曰ふ」とあり、また靦(てん)は〔玉〕に「慙づる皃なり」とし、みな同訓である。

[熟語]
忝汚忝官忝顔忝私忝辱忝窃忝累
[下接語]
愧忝・虚忝・誤忝・幸忝・自忝・知忝・忝・不忝・濫忝・累忝・猥忝

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