悪銭身に付かず(読み)あくせんみにつかず

精選版 日本国語大辞典 「悪銭身に付かず」の意味・読み・例文・類語

あくせん【悪銭】 身(み)に付(つ)かず

不正な手段によって得た金銭は、むだなことにつかわれがちなので、すぐになくなってしまうものである。
※歌舞伎・三人吉三廓初買(1860)序幕「もし悪銭(アクセン)は身(ミ)に附(ツ)かずとはよく申したもの、僅二月たつかたたぬにみんな耗(す)ってしまひました」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

ことわざを知る辞典 「悪銭身に付かず」の解説

悪銭身に付かず

不正な手段で得た金は、手元に残らないで、すぐに無くなってしまう。労せずして手に入れた金は、結局、後に残らない。

[使用例] いつも、しこたま、もうけている。けれども、悪銭身につかぬ例えのとおり、酒はそれこそ、浴びるほど飲み、愛人を十人ちかく養っているという噂[太宰治グッド・バイ|1949]

[解説] 「悪銭」は粗悪な銭のこともいうが、この場合は、不正な手段や働かずに得た類のいわゆるあぶく銭をいいます。

英語〕Easy come, easy go.(楽に入るものは楽に出ていく)

出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android