悲田(読み)ヒデン

デジタル大辞泉 「悲田」の意味・読み・例文・類語

ひ‐でん【悲田】

仏語三福田さんぷくでんの一。貧者病人など哀れみを受けるべき者。恵みを施すことによって福果を得られるところからいう。
悲田院」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「悲田」の意味・読み・例文・類語

ひ‐でん【悲田】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。福田(ふくでん)一つ。病人や貧窮者などあわれむべき人々。あわれみ、恵みを施すことによって福果を得るところからいう。
    1. [初出の実例]「貧病乞の悲田にも施せずして」(出典:米沢本沙石集(1283)九)
  3. ひでんいん(悲田院)」の略。
    1. [初出の実例]「設悲田而広救」(出典:続日本紀‐天平宝字二年(758)八月庚子)

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世界大百科事典(旧版)内の悲田の言及

【福田】より

…田に種子をまくと収穫があるように,仏,僧,父母,貧窮者などに布施すると,未来に功徳が得られるとして,布施する対象を福田といった。三福田(敬田,恩田,悲田)とか八福田など,その数え方はさまざまであるが,なかでも重要なのは,苦しみ悩む者(悲田)の救済事業であって,悲田養病坊,悲田院などが設けられた。また橋の建設,義井の開掘など諸種の社会事業も,この思想に基づいている。…

※「悲田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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