愛い(読み)ウイ

デジタル大辞泉 「愛い」の意味・読み・例文・類語

う・い【愛い】

[形]《「う(憂)し」から転じた語とも。ほとんどが連体形用法。多く、目下の者に対して用いる》感心である。けなげである。
「我が眼はたがわず―・いやつ出来でかしたり」〈露伴・寝耳鉄砲〉
[類語]可愛いいとしいいとおしい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「愛い」の意味・読み・例文・類語

う・い【愛】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙 ( ほとんど連体形の用法だけ ) 好ましい。愛すべきだ。殊勝だ。けなげだ。主に目下の者にいう。
    1. [初出の実例]「『それがしがゑぼしが、はげてあったが、なにとした物であらふぞ』『こころへまして、此中ぬりにやって御ざりまする』『一段ういやつぢゃ、いそいでとってまいれ』」(出典:狂言記・烏帽子折(1660))
    2. 「今の難義を救ふたるは業に似ぬうい働」(出典:浄瑠璃・義経千本桜(1747)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android