感覚所与(読み)かんかくしょよ(その他表記)sense datum

翻訳|sense datum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「感覚所与」の意味・わかりやすい解説

感覚所与
かんかくしょよ
sense datum

知覚うちに与えられ,あるいはそのうちに直接に現存しているもので,感覚の相関者であり,知覚における直接的ないし能動的意識対象である。この意識が知覚のうちにあることが,それを分析するに際して重要なことである。ここで直接的というのは,推論や他の知的過程によらずに得られることをいう。哲学領域では,このような感覚所与と一般の物質的対象 (たとえば椅子とか机など) との相違をめぐって多く議論がなされてきた。

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世界大百科事典(旧版)内の感覚所与の言及

【知覚】より

…われわれの錯覚も,多くはそのようなところから生じているわけである。そして,そのことがまた,〈現象〉と〈実在〉ないし〈物自体〉とを区別する存在論的二元論や,あるいは知覚を純粋な感覚(例えば〈感覚所与〉)となんらかの知的作用との合成物と見る主知主義的解釈の根拠ともなる。フッサールが,〈外部知覚〉の明証性と〈内部知覚〉の明証性とを,前者を〈不十全〉とし後者を〈十全〉として区別したのも,外的知覚の一面性を配慮してのことであった。…

※「感覚所与」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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