慣性抵抗(読み)かんせいていこう

世界大百科事典 第2版の解説

かんせいていこう【慣性抵抗 inertial resistance】

質量Mの物体に加速度aを生じさせるには,力FMaを加える必要があるので,手で車を押すようなときに手は車から反作用として力-Maを受けて押し返されると感ずる。これは物体の慣性に起因するので慣性抵抗と呼ばれる。また加速度aで動く電車内では,質量mの人は,電車の動く方向とは逆向きの力-maが作用するように感ずる。この力は加速度系でのみ観測される見かけの力であり,実際に質量mの人が電車に静止し続けるためには力maが必要であるが,これを見かけの力-maとつり合わせるためと考える場合がある。

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精選版 日本国語大辞典の解説

かんせい‐ていこう クヮンセイテイカウ【慣性抵抗】

〘名〙 ニュートンの運動の法則が成立する系で、物体の運動に対する見かけ上の抵抗力。外から力を受けない限り静止、または等速運動をする性質(慣性)により、物体に力を加えても、前の状態をできるだけ保とうとする抵抗力。電車が急停車すると乗客が前に倒れる場合など。慣性力。

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世界大百科事典内の慣性抵抗の言及

【ダランベールの原理】より

…このことに着目すると,仮想変位δxi(運動方程式に従って生ずる変位とは無関係で束縛条件の許す範囲でまったく任意)に対し仕事をなす力を,とすることにより,運動方程式(1)そのものが導かれることになる。この場合,を質点iに働く力の一種とみなし慣性力または慣性抵抗と呼ぶ。その結果,質点系の運動は各質点に働く慣性力まで含めた力のなす仮想仕事δWの総和が各時刻でつねに0,すなわち,という条件に従うように定まる。…

※「慣性抵抗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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