懐中島記(読み)かいちゆうとうき

日本歴史地名大系 「懐中島記」の解説

懐中島記
かいちゆうとうき

一巻 上妻隆直著

成立 元禄二年

原本 西之表市立図書館

写本 鹿児島大学附属図書館農学部分館

解説 種子島氏の家老上妻隆直が家臣たちのために編述した種子島の要覧集的書物。種子島最初の本格的地誌といってよく、享保内検以前の一七世紀後期から一八世紀初期の種子島の歴史・地理について漢文体でまとめてある。内容は種子島の南北・東西の距離に始まり、御朱印高と寛永万治の両内検高、総人口と牛馬数、島主種子島家および一族支流の記事、周囲の島々の支配領有のこと、種子島氏がかかわった戦国期以降の諸戦役関係事件と鉄砲伝来の記事、種子島一八ヵ村の村ごとの石高・人口・牛馬数・船数・鉄砲数・寺社、野牧の記事、大風・大潮の記事など簡略ながらも島主種子島家関係の記事を中心に内容は網羅的で、種子島の様子がよくうかがえる。

活字本 「種子島研究」第二一号

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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