懸けず(読み)カケズ

デジタル大辞泉 「懸けず」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ず【懸けず】

[副]問題にもならずに。わけもなく。むぞうさに。
「―けおさるるこそ、本意なきわざなれ」〈徒然・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「懸けず」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ず【不掛・不懸】

  1. 〘 副詞 〙 ( 動詞「かける(掛)」の未然形に打消の助動詞「ず」の連用形の付いてできたもの )
  2. 問題にもされないで。歯牙にもかけられず。
    1. [初出の実例]「かたち、心ざまよき人も、才なく成りぬれば、しなくだり顔憎さげなる人にも立ちまじりて、かけずけおさるるこそ本意なきわざなれ」(出典:徒然草(1331頃)一)
  3. わけもなく。無造作に。
    1. [初出の実例]「真前(まっさき)に進んだる伊藤六が、胸板・押付かけず射とほし」(出典保元物語(1220頃か)中)
  4. とどこおることなく。ただちに。すぐに。
    1. [初出の実例]「主人より物見仕候へ由、御使被下候者、其ままかけずに御本陣へ参候て、御意の通物見可仕事」(出典:上杉家文書‐(年月日未詳)(江戸)馬場信房伝授軍法覚)

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