戛然(読み)カツゼン

デジタル大辞泉 「戛然」の意味・読み・例文・類語

かつ‐ぜん【×戛然】

[ト・タル][文][形動タリ]堅い物が触れ合って音を発するさま。
「玉と玉と撃てる音か、―と瞬時の響きを起こす」〈漱石・薤露行〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「戛然」の意味・読み・例文・類語

かつ‐ぜん【戛然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
  2. 固い物が触れ合うときの音のさま。
    1. [初出の実例]「積素不知多少力、戞然横折一声寒」(出典:水流雲在楼集(1854)上・題雪竹図)
    2. 「誤て之を取り落せしかば、戛然(カツゼン)と音して破砕(こわれ)てける」(出典:信仰の道(1894)〈松村介石苦労)
  3. (つる)などのするどく鳴くさま。〔白居易‐画雕賛〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「戛然」の読み・字形・画数・意味

【戛然】かつぜん

高くなりひびく音。また、鶴の声。宋・軾〔後の赤壁の賦〕(たまたま)り、江をぎりて東より來(きた)る。翅(つばさ)車輪の如く、玄裳縞衣(かうい)、戛然として長鳴し、予が舟を掠(かす)めて西す。

字通「戛」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android