破砕(読み)ハサイ(その他表記)comminution

精選版 日本国語大辞典 「破砕」の意味・読み・例文・類語

は‐さい【破砕・破摧】

  1. 〘 名詞 〙 くだいてこわすこと。また、こわれくだけること。
    1. [初出の実例]「忽ち看る、一脚揚る処、棺木破砕す」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)五)
    2. [その他の文献]〔史記‐義縦伝〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「破砕」の意味・わかりやすい解説

破砕
はさい
comminution

固体を細かくしていく機械的分離操作の一種。広い意味の粉砕size reductionのなかに破砕あるいは粗砕crushingや中砕なども含めるが、狭義には、これらより細かい約1センチメートル以下の粒度を目的とするものpulverization, grinding, millingに限定することが多い。粉砕の目的には、固体を細かくして取り扱いやすくしたり、粉体の混合における均一性をあげる物理的なねらいもあるが、固体の比表面積を増加させて、反応、物質移動、焼結などの化学的、物理化学的ねらいが重要となることが多い。

 粉砕機で細かくしうる粒径の割合、すなわち粉砕比=砕料(原料の固体)の粒径÷砕製物(製品の粉粒体)の粒径は粉砕機の種類によって限界があり、幾種類かの粉砕機が直列に用いられることが多い。粉砕機の種類は砕製物の大きさによって、10~1センチメートルを粗砕機、10~5ミリメートルを中砕機、数百~数十マイクロメートルの粉砕機、数十マイクロメートル以下の微粉砕機、1マイクロメートル以下の超微粉砕機などに分けることがある。

 粉砕のため固体に加える外力としては4種類あり、圧縮力は粗砕、中砕に、剪断(せんだん)力は微粉砕や靭性(じんせい)材料の微粉化に、衝撃力は中間粉砕、微粉砕、超微粉砕に、摩擦力は微粉砕、超微粉砕に用いられる。実際の粉砕機構は複雑で、これら幾種類かの力を同時に受ける場合もある。粉砕機はこのほか、連続粉砕と回分粉砕、乾式粉砕と湿式粉砕閉回路粉砕など多種多様のものがある。

[早川豊彦]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「破砕」の意味・わかりやすい解説

破砕
はさい
crush

岩石を砕いて砂利にすること。できあがった製品を砕石という。砕石をさらに細かく砕いて砕砂をつくることを粉砕という。石を砕く機械はクラッシャと呼ばれ,大きな原石を 200~350mm程度に破砕することを1次破砕,これをさらに5~20mmに砕くのを2次破砕という。粉砕では 3mm以下に砕く。

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改訂新版 世界大百科事典 「破砕」の意味・わかりやすい解説

破砕 (はさい)

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普及版 字通 「破砕」の読み・字形・画数・意味

【破砕】はさい

砕く。

字通「破」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の破砕の言及

【粉砕】より

… 粉砕の対象物すなわち原料は,粒子径1m以上もある大塊から数十μmのものまで幅広く,また粉砕された粒子(粉砕産物)も粒子径10cm以上のものから1μm以下のものまでさまざまである。そこで慣習的に,比較的粗い粒子径の領域での粉砕を破砕crushing,比較的細かい粒子径の領域での粉砕を狭い意味で粉砕grindingと呼んで区別することがある。しかし破砕と狭義の粉砕との間に明確な境はない。…

※「破砕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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