戦国四君(せんごくしくん)(読み)せんごくしくん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

戦国四君(せんごくしくん)
せんごくしくん

中国、戦国時代の斉(せい)の孟嘗君(もうしょうくん)(?~前279)、趙(ちょう)の平原(へいげん)君(?~前251)、楚(そ)の春申(しゅんしん)君(?~前238)、魏(ぎ)の信陵(しんりょう)君(?~前244)をいう。四公子(こうし)、四賢(けん)、四豪(ごう)ともいう。いずれも、それぞれの国の公子であり、国王から厚い信頼を受けて国政を助けた。また、いずれも巨大な富を有し、その富力によって各国から学者、芸術家などの名士を招き、さらに郷里から逃れてきた無頼者を中心にそれぞれが数千人の食客を抱えて、自らの勢力を天下に誇示した。これらの食客は、主人である四君から衣食などの生活のめんどうをみてもらうかわりに、各自特技を生かして主人のために命がけで尽くした。いずれも行政のうえでは国王に仕えながら、文化の保護者として、また侠客(きょうかく)に似た社会的勢力保持者として名をとどろかせた。

[太田幸男]

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